FX取引を行う際には、覚えておくべき用語が多くありますが、その中でもスプレッドは重要なうちの一つです。スプレッドとは、為替レートの「売値と買値の差」のことです。では、この差がどのように取引に関係してくるのでしょうか。
本記事では、スプレッドについての解説やスプレッドで比較したときにおすすめできるFX会社について詳しくご紹介します。
スプレッドとは買値と売値の差額のこと
スプレッドとは為替レートの買値(Bid)と売値(Ask)の差額のことです。FX取引は手数料が無料か、もしくは非常に安いことが多いため、このスプレッドが実質的な手数料と言えます。また、スプレッドと手数料の違いですが、同様のものであると考えて良いでしょう。
多くのFX会社が「手数料無料」を掲げていますが、FX会社もトレーダーに無料で取引を開放しているわけではありません。
コストの低いFX会社を見極めるポイント3選
FX取引をする際のコストは低ければ低いにこしたことはありません。実は、手数料が必要なFX会社は今ではほぼ無くなり、多くの会社が「手数料0円」を掲げています。
スプレッドの幅でもFX会社間で競争が行われており、大きな差がつかないのも確かです。コストの低いFX会社を選ぶ3つのポイントをご紹介します。
ドル/円のスプレッドは0.3銭以下の会社を選ぶ
ドル/円のトレードはFX取引の中心となるので、業界最狭水準のスプレッドが必然的に求められます。0.3銭以下というのは業界最狭水準のスプレッドの一つの目安になるでしょう。
スプレッドが原則固定の会社を選ぶ
スプレッドが原則固定となっている会社を選ぶこともコストの低いFX会社を見極める上で重要なポイントの一つです。
約定力が高い会社を選ぶ
約定力が高い会社を選ぶことも重要です。約定力が高いと取引のチャンスを逃すことにつながるだけでなく、不利な条件で約定してしまう可能性もあります。
FX会社7社をスプレッドで比較
まずは、国内の有名FX会社7社のスプレッドを比較してみましょう。
取引コストが安くおすすめな会社をご紹介
実際に取引コストが安くておすすめな会社を厳選してご紹介します。
取引コストはスプレッドだけでなく様々な要因で増減します。スプレッドだけ安く、他のコストが高くては意味がありません。
DMM.com証券(DMM FX)
DMM.com証券のDMM FXは、口座数が日本でトップクラスの人気のFX口座です。
スプレッドが狭く、ドル/円といった主要通貨だけでなく21種類の取り扱い通貨ペアすべてで、業界最狭水準のスプレッドになっています。
取引高が多い米ドル/円についても、スプレッドは0.2銭と他社と比べてもひときわ狭くなっています。
DMM FXのメリット
- デモトレードで取引体験ができる
- サポート体制が充実している
- スプレッドが安い
- ツールが使いやすい
DMM FXのデメリット
- 最低取引単位が1万通貨
- トルコリラの取り扱いがない
- スキャルピング禁止
外為どっとコム
以前は他社と比べてスプレッドが高めだった外為どっとコムですが、スプレッドを下げ続けた結果、いまではトップレベルの低スプレッドを提供する会社となっています。
業界最狭水準スプレッドで、高金利通貨のように幅が広めな通貨ペアについても、業界最狭水準のスプレッドを提供しています。
業界最狭水準スプレッド
業界最狭水準スプレッドキャンペーン実施中
※「業界最狭水準スプレッドキャンペーン」スプレッド(対象期間:詳細は公式HPをご確認ください。)
引用元:外為どっとコム公式サイト
外為どっとコムのメリット
- スプレッドが業界最狭水準
- テクニカルツールが使いやすい
- 通貨ペアが豊富
外為どっとコムのデメリット
- スワップポイントが並
- スプレッドが狭く、原則固定時間が短い
LIGHT FX(トレイダーズ証券)
トレイダーズ証券のLIGHT FXも、スプレッドが狭いことが特徴です。キャンペーンスプレッドにより、主要FX会社の中では業界最狭水準のスプレッドを提供しています。
LIGHT FXのメリット
- 業界最狭水準のスプレッド
- 高金利通貨のスワップポイントが高い
- 約定力が高い
LIGHT FXのデメリット
- メンテナンスが多め
- 自動売買が利用できない
ヒロセ通商
ヒロセ通商は取引可能通貨ペア数が50通貨ペアと業界一の通貨ペア数の多さを誇り、スプレッドも業界最狭水準のFX会社です
システムも強固なため約定力も高いのが特徴です。さらに、情報量の点でも優れています。
その日の相場見通しをまとめた戦略レポートの配信があるため、それを読むだけでもプロに近い相場観を持つことができます。
ヒロセ通商のメリット
- スキャルピング公認
- 50通貨ペアを取扱
- 高金利マイナー通貨のスワップポイントが高い
ヒロセ通商のデメリット
- スプレッドが開きやすい時間帯がある
- メジャー通貨のスワップポイントが低い
- 自動売買は利用できない
外貨ex byGMO
GMOインターネットグループの外貨ex byGMO も低スプレッドを提供しているFX会社です。少額から取引ができてスワップポイントも高水準となっています。
スキャルピングも公認している、数少ないFX会社の一つです。
業界最狭水準 スプレッド0.2銭(米ドル・円)から※1,2
無駄な費用が発生しないため、効率的な取引を実現できます。
※1 スプレッドは原則固定です。
※2 各営業日午前8時~翌午前3時の間に提供しているスプレッドです。
引用元:外貨ex byGMO公式サイト
外貨ex byGMOのメリット
- カバー取引先件数が多い
外貨ex byGMOのデメリット
- 自動売買取引ができない
- スワップポイントが高くない
GMOクリック証券
GMOクリック証券も、ほぼすべての通貨ペアのスプレッドが業界最狭水準の優良なFX会社です。
また、スマートフォンアプリなどの取引ツールも高機能で使いやすいと評判です。システムの安定性、運営会社の健全性共にトップクラスと言えるでしょう。
GMOクリック証券のメリット
- 業界最狭水準スプレッド
- 高性能で使いやすいFX取引ツール
GMOクリック証券のデメリット
- 最低取引単位が1,000通貨(※南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は10,000通貨単位)
- マイナーな通貨ペア数が少ない
- ロスカット手数料を自分で支払わなければいけない
スプレッドを理解して良い選択を!
いかがでしたでしょうか。スプレッドとは買値と売値の差額のことです。FX取引は手数料が無料の会社が多いため、このスプレッドが実質的な手数料と言えます。
スプレッドの設定は、FX会社や通貨ペアによって異なりますが、スプレッドの幅が狭いFX会社を選ぶことがより大きな利益につながります。低コストで取引ができることに重点を置き、スプレッドに注目してFX会社を選んでみましょう。
FX会社イメージ調査の概要
ZUU online編集部では当ページの作成にあたり、各FX会社のイメージに関して株式会社ZUUが独自調査を行い、客観的な統計データによる執筆を行っております。
・実施期間:2021年5月
・調査の概要:各FX会社のイメージに関するアンケートの収集
・調査対象:FX会社で口座を有する国内の20歳以上の男女
・有効回答件数:500件
・実査機関:株式会社クロス・マーケテイング
FXに関するよくある質問
Q1. 空売りとは何ですか?
空売りとはまだ保有していない為替通貨を「後日買い戻す契約」をした上で先に通貨を売るというトレード手法のことを言います。これからチャートが下落するというタイミングで空売りをし、レートが下がった時点で買い戻すことで利益を得ることができます。
Q2. 証拠金とは何ですか?
証拠金とは取引をする上で必要な担保のようなものです。必要な証拠金がなければ、取引をすることができません。必要な証拠金はレバレッジの倍率によって変わります。例えば、1ドル100円のレートで、レバレッジ25倍で10,000米ドルを取引したい場合、証拠金は100円×10,000通貨÷25=40,000円となります。この場合40,000円がFX取引口座にないと取引ができません。
Q3. 証拠金維持率とは何ですか?
証拠金維持率とは、必要証拠金に対して口座残高がどのくらいの割合を占めるかを表す指標です。以下の式で計算できます。
証拠金維持率=口座残高÷必要証拠金×100
例えば、Q2.同様1ドル100円のレートで10,000米ドルを保有している場合、必要証拠金は40,000円です。この必要証拠金に対して口座残高が100,000円であれば、100,000÷40,0000×100=250%が証拠金維持率となります。
記事にコメントいただいた専門家
鈴木拓也(すずきたくや)
1987年生まれ。明治大学理工学部卒業、東京工業大学大学院修士課程修了後に、三井住友銀行に入行し、市場営業部門(東京本店)と香港支店にて為替ディーラー業務に従事。金融投資教育のWebメディア事業を運営する株式会社フィンテラスを設立し、代表取締役に就任。公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
公式サイト
・株式会社フィンテラス(https://finteras.co.jp)
・元メガバンク為替ディーラーが教えるFX初心者講座 (https://fx-megabank.com)
株式会社フィンテラスを設立し、代表取締役に就任。公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)