2024年は金融教育の転換期！アイフィスが社員の金融リテラシー向上のために実施している事とは？
政府が目指す資産運用立国に関連して、2024年は新NISAを始めとする資産運用が熱を帯びています。
しかし、知識も経験もなく突然お金の運用ができるようになるわけではありません。
金融教育による「金融リテラシー向上」が何よりもまず重要なのです！
1.金融リテラシー向上の必要性と、新たな動き
2024年は新NISA制度が始まり、日経平均も最高値を更新するなど投資運用熱が高まっているようです。
一方で、金融リテラシーに関しての課題が顕在化し、学校にて金融教育が行われるなど対策が進んでいます。
しかし、下記の調査結果からも分かるとおり、すでに社会人になっている世代はまともに金融教育を受けていないという現実もあります。
- ・「家庭で金融教育を受けた」との認識がある人⇒全体の18.4％
- ・「学校等で金融教育を受けた」との認識がある人⇒全体の7.1％
- ※金融リテラシー調査2022年（金融広報中央委員会）より引用
【関連記事】日本の金融リテラシーは低すぎる！？アイフィスが取り組む子ども向け金融セミナーの様子を大公開！
学校や家庭で金融教育を学ぶ機会がなかった人が、新たに金融教育を受けられる場はあるのでしょうか。
実は、「健全な資産運用立国を実現するには国民の金融リテラシー向上が重要な要素だ」という観点から、2024年に新たに「金融経済教育推進機構」が設立されるのです！
次項ではどこが出資しているの？具体的にどんなことをしてくれるの？という点を解説していきます。
「金融経済教育推進機構」とは？
「金融経済教育推進機構」とは、「国民の金融リテラシー向上」に向けて、官民一体となって体系建てられた教材や教育の場を積極的に設けていくため教育を実施する機構です。
政府を中心に、日本銀行、全国銀行協会、日本証券業協会が共同出資し2024年4月に設立、8月には本格稼働を予定しています。
金融セミナーを謳った投資詐欺などのニュースを見て不安を抱えている初心者の方にとって、官民一体となり信頼できる中立的な立場で金融教育を実施してくれるのは大変ありがたいですね！
しかし、金融教育の機会を得られたとしても、リテラシーは一朝一夕では身につきません。
時間がかかっても成果に繋がるよう、根気強く一歩ずつ進めていく必要がある取り組みですね。
すでに東京都では無料で講師派遣を実施！
金融経済教育推進機構の活動に先立つ動きとして、東京都では「金融経済教育に関する講師派遣事業」を令和7年3月末まで行っています。
学校（小学校から大学まで）や企業等による金融経済教育の拡充を支援するため、出張授業やセミナー、教員や経営層向けの研修会・説明会などへの講師派遣を無料で実施しています。
金融教育がより必要となってきた今、ぜひとも積極的に利用したい制度ですね！
2.アイフィスでも金融セミナーを開催してみた！
アイフィスも金融商品の販売や教育のコンテンツ制作をお手伝いする立場として、社員の金融リテラシーの向上が不可欠だと考えています。
そのため、定期的に金融リテラシー向上につながるための社内セミナーやイベントを行っているんですよ。
今回は前項でご紹介した東京都の「金融経済教育に関する講師派遣事業」の制度を利用し、外部の講師を招いて社員向けの金融セミナーを開催した様子をお伝えします！
テーマ決めの準備段階で分かった事とは･･･？
まずはアイフィス社員に向けたセミナーの「テーマ設定」です。
お金の基本からライフプラン、保険、金融トラブル、資産運用、老後資産と多岐にわたるテーマの中から、個々の環境や知識レベルが異なる社員に合致したテーマを考えるのはなかなか難しいもの。
そこで、まずは社員の金融リテラシーレベルを把握・数値化すべく、金融広報中央委員会が2022年に実施した「金融リテラシー調査」内の25設問を使い、社内にて「金融リテラシー理解度テスト」を行いました。
すると、社員のテスト結果は金融知識の正答率が高く、全国平均を余裕で上回る結果に！
その一方で、アンケートによるヒアリングでは、回答者の多くが金融知識に自信がなく、新NISAのメリットについても「十分に理解しているものの行動に移せていない」という現状の課題が浮き彫りになりました。
知識はあるはずなのに自信がない、メリットは知っているが今一歩を進めない。
その原因は、一体どこにあるのでしょうか。
そこで、改めて金融リテラシー（金融知識＋リテラシー）とは？という基本に立ち返ってみました。
「金融知識」は金融に関わる知識を持っていること。例えばリスクという言葉やその意味、計算方法などを理解していることで、「リテラシー」はその知識を使って適切な判断や行動ができること。
この定義にあてはめてみると、アイフィスの社員は金融知識があるものの、その知識を生かした判断や行動の部分に経験がなく、自信を持てない状態ではないかと推察できます。
そこで、メインテーマは「資産運用、老後資産」に絞り、復習も兼ねた基礎知識を交えつつ、できるだけ自分の現状にあてはめて考えるワークショップ形式でのセミナーに決定しました。
そこから更に、テーマを元に事務局と講師の方と相談しながらセミナー内容を固めていきました。
いよいよセミナー開始
セミナーは東京都から派遣の「かたやま りえ」先生より、資産形成に関わる基本的な知識と活用法について解説いただきました。
＜主な内容＞
・各金融商品の特徴
・NISAとiDeCoの活用方法
・老後資金はいくら必要なのか
これらを踏まえて、自分の老後に必要となるお金はいくらなのかを考える時間も設けていただきました。
ワークショップの時間では、試算用の平均的な年金額を元に、一般的な生活における各支出を見ながら実際の自分の生活水準に合わせて調整し、老後の暮らしにいくら不足しているのかを可視化することができました。
老後に不足するであろう金額を実際に自分の手元で確認できると、残りの現役期間にどう準備していくか、という次の行動段階に入ることができます。
老後の生活は2,000万円必要と言われているものの、なかなか現実味がないものです。やはり今回のセミナーのようなきっかけがないと、漠然とした不安を持ちつつも実際に行動に移すことができない人が多いのかもしれませんね。
また、「自分の老後資金をねんきんネットで公的年金の受給見込額を確認しておく」という事前宿題もいただいていたため、初めてねんきんネットにアクセスした人や、65歳時点での予想年金額がいくらなのかをシミュレーションで知った人もいたようです。
このセミナーによって自身の老後について考えるきっかけができたのではないでしょうか。
実施してみての反省点と今後
事前アンケートや参加者属性、金融リテラシーテストなどの結果を元にセミナー内容を決定したものの、実際には参加者が抱える課題は人それぞれ異なります。
しかし、集合型研修ではどうしても一般的な話になりがちで、ワークショップでも個人の実態についてじっくり相談できる時間を設けることができなかったという反省があります。
ただし、個別の相談に重心を置いてしまうとリテラシー向上にもバラつきが生じてしまうため、今回のセミナーのような形式で内容を変え回数を重ねて実施することが重要ですね！
一度の開催で全員のリテラシー向上を目指すのではなく、地道にコツコツとレベルアップを続けていく必要があると実感しました。
3.リテラシー向上の鍵は実践だけではない！
冒頭でも触れたように、「リテラシー向上」のためには知識だけではなく、状況に応じた判断力や実際の行動につながることが重要になってきます。
とはいえ、金融分野においては、「試してみる＝自分のお金に影響が出る」という点がハードルの一つになっていると思われます。
しかし、実際の体験だけがリテラシー向上につながるわけではありません！
シミュレーションを使い仮想的にやってみたり、FPに相談しながら実践した場合のイメージを具体的に持つなど、さまざまな方法で経験値を上げることができるんですよ。
金融リテラシーの向上＝セミナーなどでの勉強、という枠にとらわれず、今後も「どんな方法であればリテラシーが身につくのか」を多角的な視点から考えていきたいです。