終身雇用制度の崩壊が語られ、年功序列の賃金体系も変革が余儀なくされている今、給料以外に収入源を持つことや、サラリーマンが行う副業への関心度はますます高まっています。
副業には誰でも気軽に始められるものからスキルや知識の必要なものまでさまざまな選択肢がありますが、サラリーマンにおすすめできる方法のひとつがFXです。
この記事では、サラリーマンがFXを行うメリットやデメリット、サラリーマンにおすすめのFX会社などについて詳しく解説します。FX取引を副業として検討している方は、是非参考にしてください。
この記事でわかること
- サラリーマンがFXを行うメリット・デメリット
- サラリーマンにおすすめのFX会社
- FXに向いているサラリーマンとは
目次
サラリーマンがFXをするメリット
サラリーマンがFXをするメリットはいくつかありますが、主には次の3つが挙げられます。
サラリーマンがFXをするメリット
- 平日は24時間取引可能
- 少額から取引が始められる
- 副業禁止の規則に抵触しない
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
平日なら24時間取引可能なので仕事の後でもできる
為替市場は日本だけでなく世界中で開かれています。時差の関係もあり、FXは平日であればほぼ24時間取引が可能です。
金融投資の代表的な方法のひとつに株式投資が挙げられますが、日本株の場合は平日の9時から15時(11時半から12時半は休場)しか取引ができないため、日中仕事をしているサラリーマンの方が集中して取引するのは難しいでしょう。
しかしFXであれば仕事から帰ってきた後の夜間でも取引が可能です。
さらに日本時間の21時から翌2時にかけてはヨーロッパ市場とアメリカ市場のどちらもオープンしており、1日の中でも値動きが活発な時間になります。
仕事帰りでも値動きが活発な時間帯で取引できるのは、仕事の忙しいサラリーマンにとって大きなメリットといえるでしょう。
また、自分で設定した規則に従って取引を行う「自動売買」のサービスを使えば、仕事をしている日中の時間帯も自身の意向に沿った取引が可能となります。
少額から始められる
FX会社によっては初心者でも取り組みやすいよう少額取引が可能であるとうたっており、なかには数百円からFX取引を始められる会社もあります。潤沢な資金を用意するのが難しいサラリーマンでも、FXは比較的チャレンジしやすい投資といえるでしょう。
もちろん、投資金額が少なすぎるとその分大きな利益を狙うのは難しくなりますが、大きな損失を防ぐことにも繋がります。
特にFX初心者の場合、最初から大きな利益を出すことは目指さず、FX取引に慣れることへの注力が肝心です。慣れないうちから大きな金額で取引をしてしまうと、あっという間に大きな損失を負ってFX取引から撤退せざるを得ない状況に陥る可能性が十分にあります。
少額からであれば、そのようなリスクを抑えてFX取引を始められます。
副業にならない
自社の正社員に対し副業を解禁している企業は増えつつありますが、禁止している会社はまだまだ多くあります。
副業禁止の会社に勤めているサラリーマンの場合、ダブルワークで収入の複線化を図ることは規則違反にあたります。
しかし、FXをはじめとした投資による資産運用は「副業にはあたらない」とされているため、就業規則で副業を禁止している企業に勤めていてもFXを行うことは可能です。
一部、金融機関(銀行、証券会社など)においては金融商品取引法などにより従業員が金融取引を行うことを禁止している例もありますが、一般の会社の場合は本業に障らないよう気を付ければFX取引を行うこと自体は問題ありません。
就業規則違反を心配せずに収入の複線化を図れることは、サラリーマンの方にとってメリットといえるでしょう。
FXはどれぐらい稼げるのか?
金融取引で億単位の利益を上げた投資家を「億り人(おくりびと)」と称し、インターネットやマネー雑誌などで度々紹介されているのをご覧になった方も多いでしょう。
しかし実際にFX取引を行っている人はどれくらい稼げているのかも気になるところです。
ここでは、FXでどのくらいの方が利益を出しているのかについて実態調査の結果を元に解説します。
60%程度は利益を出している
一般社団法人金融先物取引業協会の調査(2018年実施)によると、FXトレーダーの約60%が利益を出しているとの結果が出ています。
なかには年間で100万円以上の利益を上げた方も7.5%とありますが、最も多いのは約35%を占める年間利益20万円未満の層です。
反対に損失額の調査データを見た場合、20万円未満の層が約28%となっており、損益いずれを見ても「FXで莫大な利益/損失を出した人」の割合はそれほど高くないといえるでしょう
出典:一般社団法人金融先物取引業協会 2018年度「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査」
サラリーマンにおすすめのFX会社
FX取引を始める際、まずは数あるFX会社の中から自分の意向に合った会社を選ぶ必要があります。ここでは、特にサラリーマンの方へおすすめのFX会社を4社紹介します。
サラリーマンにおすすめのFX会社
- GMOクリック証券
- ヒロセ通商
- DMM FX
- 松井証券
それぞれの会社の特徴を解説していきますので、是非参考にしてください。
GMOクリック証券
GMOクリック証券を多くのトレーダーが利用する背景には、業界最小水準のスプレッドや高機能かつ使いやすさにこだわったツールが用意されていることなどが特徴として挙げられます。
GMOクリック証券の特徴
- スプレッドが業界最小水準で取引手数料や口座開設・維持費用も無料、コストを抑えて取引できる
- 利用環境・目的に応じたさまざまな取引ツールがあり、無料でデモトレードも利用できる
- GMOクリック証券の基本スペック
最低取引単位 | 1,000通貨(※南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は10,000通貨単位) |
---|---|
スプレッド | 0.2銭 原則固定(米ドル/円) 0.4銭 原則固定(ユーロ/円) 0.9銭 原則固定(ポンド/円) |
通貨ペア | 20通貨ペア |
ヒロセ通商
ヒロセ通商は、バラエティーに富んだキャンペーンや1,000通貨単位からの少額取引ができるFX会社です。取引可能な平日24時間は電話やメールでの問い合わせに対応しており、FX初心者の方でも安心して取引できるサポート体制です。
ヒロセ通商の特徴
- 世界最速水準の約定スピードを誇り、スリッページ(発注時に提示されていたレートと約定したレートとの間に生じたズレ)の心配が少ない
- 取り扱い通貨ペアは54種類と他社の倍ほどもあり、複数社で口座を作らなくてもさまざまな通貨ペアで取引が可能
- PC・スマホの両方で高機能な取引ツールを完備している
- ヒロセ通商の基本スペック
最低取引単位 | 1,000通貨 |
---|---|
スプレッド | 0.2銭(米ドル/円) 0.4銭(ユーロ/円) 0.9銭(ポンド/円) |
通貨ペア | 54通貨ペア |
DMM FX
DMM FXはドル/円のスプレッドが0.2銭と業界最狭水準となっており、出金手数料や口座維持手数料などの各種手数料を無料としているため、取引コストを抑えたい方におすすめのFX会社です。また、メッセージアプリのLINEを使って気軽にサポートを受けられるのも初心者には嬉しいポイントです。
DMM FXの特徴
- LINEでAIチャットを通じた問い合わせに対応しており、気軽にサポートを受けられる
- スプレッドが狭く各種手数料も無料なので、コストを気にしすぎることなく取引回数が増えても安心
- 1ポイント=1円で交換できる「取引応援ポイントサービス」があり、取引実績に応じてポイントを獲得できる
- DMM FXの基本スペック
最低取引単位 | 10,000通貨 |
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スプレッド | 0.2銭(米ドル/円) 0.5銭(ユーロ/円) 0.9銭(ポンド/円)(原則固定・例外あり) |
通貨ペア | 21通貨ペア |
松井証券
松井証券のMATSUI FXは最低取引単価が1通貨となっており、超少額投資に対応した初心者にもチャレンジしやすい環境を用意しています。またスプレッドは業界最狭値水準で、米ドル/円が0.2銭であることをはじめ、他通貨ペアでもコストを抑えた取引が可能です。
松井証券の特徴
- 1通貨単位からの超少額取引ができ、スプレッドは各種通貨ペアで業界最狭水準を提示している
- 総合ネット証券ならではのノウハウを活かした、高機能な取引ツールをPC・スマホで利用できる
- レバレッジ(用意した証拠金より大きな額の取引が可能になる仕組み)の倍率を、自分の取引スタイルに合ったコースで選択できる
- 松井証券の基本スペック
最低取引単位 | 1通貨 |
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スプレッド | 0.2銭(米ドル/円) 0.5銭(ユーロ/円) 1.1銭(ポンド/円) |
通貨ペア | 20通貨ペア |
FXで得た利益は確定申告する必要があるのか?
FXを始める際、確定申告の必要性など税金の取り扱いが気になる方も多いのではないでしょうか。
FXは国内FXと海外FXの大きく2種類に分かれ、それぞれ税金の取り扱いが異なります。ただし、海外FXは一般的に国内FXと比べコストが高く、出金トラブルのリスクも高まるため、初心者には向きません。ここでは国内FXでの税金の取り扱いについて、次の3つの観点から解説していきます。
国内FXのでの税金の取り扱いについて
- 確定申告の必要性
- 節税策
- FX取引をしていると会社に知られない方法
FXの利益を確定申告する必要がある場合もある
FXで得た利益を確定申告する必要があるか、という問いに結論からお答えすると、「原則として必要」となります。
FXの利益にかかる税率は利益額にかかわらず一律20.315%です。株式投資や投資信託などの税率も20.315%ですので、金融投資に対する一般的な税率であるといえるでしょう。
FXで利益が出た場合は原則確定申告が必要ですが、例外もあります。
サラリーマンなど1ヶ所から給与を得ている人の場合、「必要経費を差し引いたFX取引での利益が年間20万円以下」なら確定申告の必要はありません。
ここでいう「必要経費」とは、書籍の購入費やセミナー代、パソコンなど通信機器の購入代(FX取引に使う割合を案分して)などが対象です。領収書を保管し適切に申請すれば、節税になります。また、扶養を受けている専業主婦であればFXでの年間利益額38万円までは申告不要となります。
損失が出た場合も確定申告は必要ありませんが、損益通算や繰越控除を利用したい場合は損失分の確定申告が必要になります。
損益通算と繰越控除で節税を図る
損益通算とは、利益と損失を相殺することができる制度です。
例えば、A社のFX口座で100万円の利益が出て、B社では50万円の損失が出たとします。損益通算をしないと100万円の利益に対し20.315%の税金がかかってしまいますが、B社で50万円の損失が出ているので納得感がないはずです。
FXの利益と損失は確定申告することによって相殺できるので、このケースの場合、50万円の利益に対して税金を払えばよいことになります。
また繰越控除とは、損失を最大3年先まで控除できる制度です。
例えば1年目に100万円損失が出て、2年目に100万円の利益が出たとしましょう。この場合、1年目に損失を確定申告しておくと2年目の利益100万円と相殺できるので、2年目に支払う税金は0になります。
ただし、損失が出た年から継続して確定申告をしておかないと繰越控除は適用されません。後から繰越控除を申請することはできませんので注意しましょう。
損益通算や繰越控除は節税策になるので、確定申告をするうえでのメリットといえるでしょう。
会社に副業がばれたくない時は
FXは副業にあたらないとはいえ、確定申告をすることによって自分がFXをしていると会社に知られてしまうことに抵抗があり、できれば「ばれたくない」と考える方も多いのではないでしょうか。
確定申告で会社にFXをしていることがばれるかどうかのポイントは、住民税にあります。
住民税の納付方法は特別徴収と普通徴収の2種類があります。
特別徴収は、副業やFX分の住民税も給料にかかる住民税と一緒に給料から天引きで支払う方法のため、給料外の所得に対する住民税額が会社に通知されてしまいます。
一方、FX分の住民税を給料にかかる住民税とは別に納付できる普通徴収を選べば、会社に通知されないので安心できます。確定申告書類にある「住民税に関する事項」で「自分で納付」に印をつけると、この普通徴収が適用されます。
FXに向いているのはこんな人
少額から投資できるため、金融初心者でも比較的取り組みやすいのがFXの魅力です。ここでは、FXに向いているサラリーマンとはどのような人なのか、その特徴を解説していきます。
平日の夜を利用してお金を稼ぎたい
サラリーマンであれば、勤務時間となる平日の日中は投資どころではないという方が一般的でしょう。
代表的な投資商品である株式取引は平日の昼間しか行えませんが、FXであれば平日は24時間ほぼ取引ができるため、仕事終わりの夜間でも取引が可能です。
むしろ日本時間の21時から翌2時にかけてはアメリカやヨーロッパの市場がオープンになるため、取引参加者が多く値動きにも期待が持てる時間帯です。
平日夜の時間を活かして稼ぎたい方であれば、FX取引はおすすめの投資法といえるでしょう。
世界経済について学びたい意欲がある
為替相場は世界中のあらゆるニュースの影響を受け、時には大きな変動を起こします。経済指標の発表や金融政策に関する報道など、世界経済の動向をしっかり把握することは、FX取引で利益を上げるために欠かせません。
世界経済や金融の知識を身に付ける意欲がある方なら、FX取引に必要な情報収集もはかどることでしょう。
FXについて積極的に学びたいと考えている
FXで利益を上げて資産運用をしたいと考えるなら、基礎知識の習得にとどまらず取引スタイルや相場分析の方法などを勉強しようとする心がけが大切です。
ノウハウがなければ運や勘に任せた感覚的な取引を行ってしまいがちになり、長期的な視点で利益を出していけないだろうことは想像に難くありません。
本や雑誌を読んだり、インターネットで動画コンテンツを視聴したりなど、積極的にFXを学びたいと考え行動できる人は、FX取引に向いているといえるでしょう。
専門用語やFXの仕組み自体を理解するのに最初は苦労するかもしれません。デモトレードや少額取引と並行して、知識と経験を積み重ねながら徐々にステップアップしましょう。
サラリーマンがFXを行うデメリット
サラリーマンがFXを行うことのメリットを紹介してきましたが、併せてデメリットも知っておきたいところです。
サラリーマンがFXを行うデメリットは主に次の2つです。
サラリーマンがFXを行うデメリット
- 大きな損失を出す可能性もある
- 取引が可能なのは平日のみ
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
大きな損失を出す可能性もある
FXはレバレッジ機能(用意した証拠金より大きな額の取引が可能になる)を使うことで手元資金の数倍の取引が可能となる金融商品です。
手元資金の額に比べて大きな利益を狙えるのがメリットですが、逆に大きな損失を被ってしまう可能性と隣り合わせでもあります。
特に初心者のうちは少額の取引から始め、レバレッジをかけすぎないよう1~3倍程度に抑えましょう。増やせた資金を使って徐々に大きな取引へとチャレンジしていくことをおすすめします。
取引が可能なのは平日のみ
FXは平日ならほぼ24時間取引できますが、土日は世界各国のマーケットが休場するため取引はできません。日本の祝日は海外マーケットに関係がないため取引可能ではありますが、株式市場の発表がないことから平日に比べ相場が動きにくいことが多くなります。
サラリーマンであれば平日の夜を中心とした取引になりますが、連日深夜まで取引に没頭してしまえば体調を崩す原因にもなります。
土日に取引ができないのは、平日忙しいサラリーマンにとってデメリットといえるでしょう。
サラリーマンがFXを行う際のよくある質問
ここからは、サラリーマンの方が FX 取引を行う際によくある質問とその回答をご紹介します。
Q.サラリーマンでもFXを始められる?
サラリーマンでもFXは始められます。多額の資金を用意せずとも数千円程度の少額から取引を始められることや、平日なら24時間取引でき空いた時間を有効活用できることなどが、サラリーマンの方にとっても取り組みやすい要素といえます。
また、就業規則で副業禁止が定められている場合でも、FXは労働の対価として金銭を得る行為ではないため適用範囲外とされます。副業禁止の規則に対しても心配は不要です。
Q.会社にばれずにFXをするには?
会社にFXがばれる主なケースは、確定申告に伴い住民税が勤め先に通知される時です。
会社に勤務するサラリーマンの場合、通常は住民税を会社側がまとめて支払う「特別徴収」が適用されます。
FXで利益が出た際は原則として確定申告が必要ですが、特別徴収では確定申告をすると給料以外の所得に対する住民税額が会社に通知されるため、FXなどで副収入のあることがばれてしまいます。
しかし申告の際、住民税の支払い方法に「普通徴収」を選べばFXの利益にかかる分は自分で納めることとなるため、会社にばれません。
Q.FXで利益は出る?
一般社団法人金融先物取引業協会の調査(2018年実施)によると、FXトレーダーの約60%は利益を出しています。
ただし、運や勘が頼りでは長期的な利益は上げられません。相場の仕組みやFXならではのセオリーを勉強したり、世界経済の動向を日々注視したりしながら、それらを取り入れた取引方法の実践が重ねられる人は、こつこつと利益を積み重ねることができるでしょう。
また、損失が出ると判断した際、どれだけ早く損切りの決断ができるかも重要です。なかなか決断できずにいるとその分損失額も大きくなり利益を食ってしまう恐れがあるため、損切りの決断は早めに下せるよう心がけておきたいところです。
実際にFXを始めてみよう(まとめ)
この記事では、サラリーマンがFXを行うメリットや気を付けておきたいデメリットなどについて解説しました。
終身雇用や年功序列の賃金体系崩壊が叫ばれる今、サラリーマンも給料以外の収入源を確保しておくことが重要となってきました。収入源を複数作る方法はさまざまありますが、FXは少額から始められ平日夜など空いた時間に取引できるため、サラリーマンの方でも比較的続けやすい投資法です。
この記事を参考にFXを始めて、新たな収入源を作ってみてはいかがでしょうか。
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